一日一首
ランダムに変わる取り札を見て上の句を当てる練習ができます。毎日の腕試しにご活用ください。
歌人
貞信公
歌
小倉山峰のもみぢ葉心あらば今ひとたびのみゆき待たなむ
現代語訳
小倉山の峰の紅葉よ、おまえに心があるのなら今一度の帝のお出ましを待っておくれよ。
出典
拾遺集 雑秋 1128
決まり字
をぐ(読み方: おぐ)
4期目を目指す山添百合クイーンに井上菜穂六段が挑む。過去の対戦は1回のみ。山添クイーンは6度目の本戦出場、さらに第65期からいずれもストレート勝ちを収めて9連勝中。真面目な性格ゆえの緊張はあるだろうが油断はなく、防衛は堅いと見られている。一方の井上挑戦者は、実力は誰もが認めるものの、これまでの東日本予選では準優勝が最高で、今回ようやく挑戦権を掴み取ることができた。自信を持って山添クイーンに立ち向かっていく姿を見せて欲しい。名人戦とは一味違う、両者の丁寧かつ美しい取りにも注目いただきたい。
山添クイーンは、昨年は運命戦を含む接戦を経験した。落ち着いて勝ち切る強さ、貫禄を見せ、さらに一段成長したように思える。競技に向き合う姿勢も含めて模範的であり、永世クイーンへと着実に近づいていると言えるだろう。
12月の愛知大会でも接戦、運命戦を制して見事優勝。終盤の相手陣への攻めは圧巻で、それに加えて運を味方につけるような巧みな試合運びで勝負強さを印象づけた。本戦に向けて気力も高まっている様子が伺え、誰が相手でも死角なしといった状態にある。
井上挑戦者はここ数年の早稲田大学かるた会を実質率いてきた中心的人物であり、自身だけでなく後輩の成長にも大きな影響を与えてきた。実際に今の早稲田大学かるた会は、多くのA級優勝者や入賞者を輩出している。昨年は東日本予選において後輩が代表になるなど、井上挑戦者自身も大きな刺激を受けて今があることだろう。
またクイーン位挑戦者決定戦、ちはやふる小倉山杯などの記録係を務めてきた経験もある。トップ選手の取りを間近で見てきた。今回は自身が挑戦者として最高の舞台に立つため、試合にかける意気込みも相当なものがあるはずだ。安定感のある山添クイーンだからこそ、切り崩すためには、自身の想い、早稲田の想いまでも全てぶつけていくしかない。
試合での注目ポイントは、山添クイーンの相手陣への攻め、つまり井上挑戦者の自陣での攻防になると予想する。両者ともに相手陣を主としながらも、自陣もしっかり取れるバランス型のタイプではあるが、山添クイーンの方がやはり一枚上手。一方の井上挑戦者は相手陣左への攻めが鋭く、その逆方向である自陣左の守りも堅い。出札の順番やお手付きによるミスも含めて試合の流れをどのように掴もうとするのか、両者の駆け引きにも注目いただきたい。
※写真は第67期クイーン位決定戦の写真です。