1.観光客への競技かるた普及
大津あきのた会は近江神宮の勧学館で練習している。ちはやふるの聖地である勧学館には、通常の練習中にも勧学館には観光客が出入りする。一般の観光客が練習を見学してもらうことも歓迎しており、練習は襖を空けて行い、ルールの解説を交えて案内を行うことも多い。
2.初心者への指導
爆発的なちはやふるブームにより、かるたを始めたい初心者が大変多かったころは、入会前に集団講習形式で初心者教室を行って対応していた。全五回のプログラム終了後、さらに強くなりたい方に向けて入会を勧めていた。
<参考>
全五回の集団講習時のプログラム
第一回 競技かるたの歴史
第二回 払い手をやってみよう
第三回 お手付きのルールを知ろう
第四回 相手陣を攻めよう
第五回 強い人に挑戦!
現在、新規初心者は月に5~6名ほど訪れる。初心者からE級レベル向けの練習は、有段者の練習会とは分けて行っている。以前のような集団講習ではなく個人指導に切り替え、ひとりひとりのレベルに合った初心者指導を行っている。
集団講習時も現在の個人指導も、初心者は「み」までの50枚を使うという工夫をしている。はじめは「み」までの50枚の決まり字かるたを使用し、覚えた札から白札に入れ替える。だんだんと白札を増やしていくことで、100枚を少しずつ覚えてもらっている。100枚覚え、大会出場が可能なレベルになると、大津あきのた会内で行うマナー講習を受講してから大会デビューとなる。
3.競技かるたを普及する上での工夫
大津あきのた会では、競技かるたに興味を持った方は誰でも受け入れる体制を重要視している。入会においてテストや条件を設けず、希望者が爆発的に増えた際も集団講習形式で対応するなど、絶対に受け入れるという信念を持つ。初心者は100枚覚えるスピードも様々であるが、ひとりひとりに応じた指導を行うようにしている。
また、父母にも参加を促し、親子でかるたに取り込む環境づくりに努めている。子供をきっかけにかるたを好きになった父母が、高校選手権などの大会運営も支えている。
普及指導部員から
観光客に対しても、初心者に対しても、かるたに興味を持った方は一人残らず歓迎するという強い信念を取材から感じました。
「み」までの50枚で始める点、決まり字かるたを使うという点は、どの規模の会でも取り入れられる素敵な工夫であると感じました。100枚覚えることは、かるたに興味を持った方の最初の壁ですが、難所を飛び越えてまずかるたを楽しんでいただくことができるのではないかと思います。