第56回全国女流選手権大会(A級)の見どころ

2024.05.19
作成者: 一般社団法人 全日本かるた協会

第56回を迎える女流選手権大会は、階級別に女性日本一を決定する大会です。A級(4段以上)の部には、今大会も昨年同様、64名の出場枠が設定され、昨年優勝者をはじめ、全国のトップ女流選手64名が顔を揃えました。トーナメント方式で対戦が進み、優勝するためには6試合を勝ち抜かなければなりません。実力はもちろん、6試合を戦う体力と気力が必要不可欠です。

注目選手のひとり、昨年優勝者の原あかり五段(大津あきのた会)は、昨年の優勝で一気にトップ選手の仲間入りを果たしました。今大会でも昨年同様、その溌溂としたかるたの取りで連覇できるのかに期待が高まります。また、1月の第68期クイーン位決定戦で惜しくもクイーン位を失冠するも、その後の大会で安定した成績を残す山添百合準クイーン(京都小倉かるた会)や、本年4月に行われた第63回全日本選手権大会準優勝の高校生選手、名実ともに若手No.1の矢島聖蘭七段(関東第一かるた会)も有力視されています。

他にも、渡辺令恵永世クイーン(鎌倉山かるた会)をはじめ、北野律子八段(奈良かるた会)、荒川裕理八段(京都小倉かるた会)、坪田翼七段(東京東会)とクイーン経験者も出場します。永世クイーン、元クイーンに対して、近年実力をつけ、目覚ましい活躍を見せる若手選手たちがどう挑むかも大変楽しみなところです。

井上菜穂クイーン(早稲田大学かるた会)の欠場は残念ですが、本大会は、第69期クイーン位決定戦に向けた10月の東西予選、11月の挑戦者決定戦の前哨戦とも言えます。来年1月のクイーン位決定戦での井上菜穂クイーンへの挑戦権を手中にする選手を占う上でも極めて興味深い大会です。