2007-01-15

第53期 名人位・第51期クイーン位戦決定戦

(2007年1月6日 近江神宮勧学館)

西郷名人V9!! 楠木クイーンV3!!

第53期名人位決定戦は二年ぶり五度目の対戦となった西郷−土田戦。 一昨年まで三年連続の挑戦者ながら昨年西日本予選決勝で同会の寺嶋選手に苦杯を喫した 挑戦者の土田選手は、今回再度満を持しての挑戦となったが、 結果は過去四度と同じく3-0のストレートで西郷名人の防衛となった。 西郷名人はこれで自身の連勝記録を27と更に伸ばし、 正木一郎初代永世名人の10期連続にあと一歩と言う所までたどり着いた。 正木永世名人を昭和の大名人とするなら、正に平成の大名人の域に達しつつあると言ってよいであろう。 土田挑戦者は取りの迫力や枚数など技術的な面でこそ名人に劣るものではないが、 特に一、二回戦はお手つきによる自滅の感が強く安定性という部分でかなり差が見られ、 この差をどのように埋めて行くかが今後の課題と言える。 捲土重来を期待したい。

第51期クイーン位決定戦はクイーン戦としては初対戦の楠木−鋤納戦。 史上最年少クイーンとして誕生して以来、この三年ほど女流選手には負けなしの無敵のクイーンの牙城を 新進気鋭の鋤納選手がどのように崩せるかと言う対戦であったが、 結果としては2-0のストレートで楠木クイーンの防衛となった。 楠木クイーンはこれでクイーン戦での連勝が6となり、 名人と同様連勝記録を伸ばしている。 今回のクイーンは決して本調子と言うわけではなく、 挑戦者にも突き崩す糸口がまったく見えなかったと言う訳ではない。 しかしここ一番ではやはり経験に勝るクイーンに一日の長があったと言えよう。 このクイーンを破るには相当な勢いが必要と思われる。 挑戦者には更なる精進と再挑戦を期待したい。

第53期名人位決定戦

西郷直樹名人
(早大かるた会)
3 - 0 土田 雅七段
(福井渚会)

一回戦 8枚差
 

二回戦 9枚差
 

三回戦 10枚差
 
第51期クイーン位決定戦

楠木早紀クイーン
(大分県かるた協会)
2 - 0 鋤納麻衣子六段
(大阪暁会)

一回戦 7枚差
 

二回戦 5枚差